株式市場の中心で銘柄への愛を叫ぶ

銘柄に惚れてはいけないのに銘柄に惚れ込んでしまう投資家のメモ

先物・日経平均・信用無限回転、死に至る病

先物に振り回されて乱高下する日本の株式市場。情けない。先物とはなにものなのか。『先物主導』という言葉が大嫌いになる。

一部の寄与度が高い銘柄に大きく左右される日経平均。それを利用して揺さぶりをかけられ、雪崩的に売りが生じる。揺さぶっている側は面白くて仕方がないだろう。こんなインデックスは無視してしまおう。

そんな揺さぶりにうんざりしたので、現物を売るのをやめた。含み損もお構いなしだ。信じた銘柄を握りしめて耐え抜こう。揺さぶりをかける奴は、売りが出てこなければ慌てることになる。目にものを見せてやれ。脇役の先物にはさっさと引き取りいただこう。

  • 意味不明な下げは無視。
  • 日経平均を無視してTOPIXを見よう。
  • 下落しているときに底抜けが怖い銘柄(実態が伴っていない銘柄)は避けよう。そうすれば信じ抜くことも多少容易になる。

為替の概念

変動相場制というのは強者が弱者から労働力・資源を搾取するための「綺麗な」仕組みだと解釈している。強い国の通貨は、弱い国の労働者をより多く働かせることができる。

自転車のギアで考えれば、新興国(通貨は基本的には弱い)は漕ぎ出しであり、クランク側(ペダル側)のギアは小さく、後輪側のギアは大きい。後輪を1回転させるためにはより多く漕がなければならない(ただしその分漕ぐのに必要な力はすくなくて済む)。
一方先進国(通貨は基本的には強い)はスピードが乗った状態であり、クランク側のギアは大きく、後輪側のギアは小さい。ペダルを1回漕ぐだけで後輪を何回転もさせることができる。

そう考えれば円高は望ましいことなのだ。より安く物を外国から買う事ができる。自国通貨が安くなって喜ぶのは明らかに不自然だ。
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なぜ円安が良いと考えられているのか。それは自国経済を自国で回せないからではないか。人々が将来を心配し、お金を使わない(キャッシュが流れない)。円安であれば、外国の経済活動が動かす日本円の額が増え、流れるキャッシュが見かけ上多くなる。輸入品・原材料の値段があがることで、強制的に物の値段を上げ、キャッシュが流れるようにする。そんな後ろ向きなものだと思うのだ。
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冬月『外国系投資機関が全力買い越しとは、大げさ過ぎるな。まさか、ここで起こすつもりか?!』

アベノミクス相場で株価が上昇している。けれども忘れてはならない。日本が持っている資産(国富)を狙っている勢力がいるであろうことを。

北風と太陽

『北風と太陽』というイソップ寓話がある。Wikipediaから説明を引用する。

あるとき、北風と太陽が力比べをしようとする。そこで、旅人の上着を脱がせることができるか、という勝負をする。
まず、北風が力いっぱい吹いて上着を吹き飛ばそうとする。しかし寒さを嫌った旅人が上着をしっかり押さえてしまい、北風は旅人の服を脱がせることができなかった。
次に、太陽が燦燦と照りつけた。すると旅人は暑さに耐え切れず、今度は自分から上着を脱いでしまった。
これで、勝負は太陽の勝ちとなった。

『規制緩和しろ!』と年次改革要望書を提示したり、TPP参加を促したりするのは『北風』のアプローチのように私は感じる。押し付けられると反発するものだからだ。国の弱腰な態度にますます国民は辟易し、やはり国は当てにならないと預金に勤しむ。

ところが、アベノミクスの第1の矢として行われる通貨の量的緩和政策が始まると状況が変わってくる。『円安』や『株高』を伴いぽかぽかと心地よい。少なくとも今のところは。そうなってくるといままで預金や国債購入に回っていた資金が株式市場や為替市場に流れ込んでくる。私はこれは『太陽』のアプローチのように感じる。

ガッチリと守りに入っている人から資産を巻き上げるのは難しい。だが、ほいほいと心地よさにつられて出てきた人から巻き上げるのはより容易である。そこにつけ込まれないように注意しなければならないと思う。

じっとしていたら減価する

通貨の量的緩和は『円による購買力』を落とす。輸入品の多くのが値上がりするのは確実だ。じっとしていれば物の価格が下落し、相対的に資産価値が上昇する時期が終わったとすれば、動かなければ資産価値は目減りしてしまう。

心地よさにつられて出てくる人と同じように、『今攻めの姿勢に転じなければ守ることもままならない。攻撃こそが最大の防御だ。』と悲壮感に満ちた気持ちで市場に出てくる人もいると思う。どちらかといえば私は後者だ。

たとえ株価の上昇で資産が2倍になったとしても、物価が2倍になっていれば"トントン"でしかない。ただ何もしなければ資産が2分の1になったとの同じことになってしまう。だからこれは攻めではなく守りの戦いなのだ。

日本でバブルを起こすつもりか?

日本は右から左、左から右へ一斉に動きやすい。0か1かしかない傾向が強い。ブームにのせられて大挙する。この傾向は利用されるだろう。一旦株投資に火がつけば、誰も彼もが株の話をするようになるのではないか。私は平成のバブルを知らないが、同じことになる可能性があると考える。

常に、『まさか、ここ(日本)で(バブルを)起こすつもりか?!』の気持ちで望みたい。