株式市場の中心で銘柄への愛を叫ぶ

銘柄に惚れてはいけないのに銘柄に惚れ込んでしまう投資家のメモ

冬月『外国系投資機関が全力買い越しとは、大げさ過ぎるな。まさか、ここで起こすつもりか?!』

アベノミクス相場で株価が上昇している。けれども忘れてはならない。日本が持っている資産(国富)を狙っている勢力がいるであろうことを。

北風と太陽

『北風と太陽』というイソップ寓話がある。Wikipediaから説明を引用する。

あるとき、北風と太陽が力比べをしようとする。そこで、旅人の上着を脱がせることができるか、という勝負をする。
まず、北風が力いっぱい吹いて上着を吹き飛ばそうとする。しかし寒さを嫌った旅人が上着をしっかり押さえてしまい、北風は旅人の服を脱がせることができなかった。
次に、太陽が燦燦と照りつけた。すると旅人は暑さに耐え切れず、今度は自分から上着を脱いでしまった。
これで、勝負は太陽の勝ちとなった。

『規制緩和しろ!』と年次改革要望書を提示したり、TPP参加を促したりするのは『北風』のアプローチのように私は感じる。押し付けられると反発するものだからだ。国の弱腰な態度にますます国民は辟易し、やはり国は当てにならないと預金に勤しむ。

ところが、アベノミクスの第1の矢として行われる通貨の量的緩和政策が始まると状況が変わってくる。『円安』や『株高』を伴いぽかぽかと心地よい。少なくとも今のところは。そうなってくるといままで預金や国債購入に回っていた資金が株式市場や為替市場に流れ込んでくる。私はこれは『太陽』のアプローチのように感じる。

ガッチリと守りに入っている人から資産を巻き上げるのは難しい。だが、ほいほいと心地よさにつられて出てきた人から巻き上げるのはより容易である。そこにつけ込まれないように注意しなければならないと思う。

じっとしていたら減価する

通貨の量的緩和は『円による購買力』を落とす。輸入品の多くのが値上がりするのは確実だ。じっとしていれば物の価格が下落し、相対的に資産価値が上昇する時期が終わったとすれば、動かなければ資産価値は目減りしてしまう。

心地よさにつられて出てくる人と同じように、『今攻めの姿勢に転じなければ守ることもままならない。攻撃こそが最大の防御だ。』と悲壮感に満ちた気持ちで市場に出てくる人もいると思う。どちらかといえば私は後者だ。

たとえ株価の上昇で資産が2倍になったとしても、物価が2倍になっていれば"トントン"でしかない。ただ何もしなければ資産が2分の1になったとの同じことになってしまう。だからこれは攻めではなく守りの戦いなのだ。

日本でバブルを起こすつもりか?

日本は右から左、左から右へ一斉に動きやすい。0か1かしかない傾向が強い。ブームにのせられて大挙する。この傾向は利用されるだろう。一旦株投資に火がつけば、誰も彼もが株の話をするようになるのではないか。私は平成のバブルを知らないが、同じことになる可能性があると考える。

常に、『まさか、ここ(日本)で(バブルを)起こすつもりか?!』の気持ちで望みたい。